「――俺さぁ。彼女できたんだよね、しかもブスのお前と違って、美人の」
「――っ!!」
ひどい、ひどすぎる。なんでそんなこと言われなくちゃならないのよ。
そんなこと私が一番分かってる…。
「ちょっと、あんたね…っ!」
美佳の目が真剣に怒っていて、カフェテラスの私達の席だけ違う空間になっているような感覚だった。
「お前よりも身体の相性よくてさー、やっぱりお前みたいな女とは全てが違うよな」
「……」
「一方で、お前はオッサンの性欲処理係に成り下がったわけだ?」
自分自身が、何を言われてもいい。
でも教授のことを悪く言うのはやめて欲しかった。
…反論しようにも口が動かない自分が情けなくて、涙が出そうになる。
「ちょっと!!!」
美佳が席を立ち上がろうとした瞬間、それを止める手が急に出てきた。
「……教授」
その手の持ち主は麻生教授だった。
顔はいつもみたいに飄々としていて、表情が読み取れない。
「………」
弘也くんも、ビックリしていて固まっている。
そんな中教授1人だけいつもの感じで私に話しかけてきた。

