画面の向こうに甘いKiss☆


「おっ。時東遅かったね」

「…パン買ってたんですよ!」


私がテーブルにポンとパンが入った袋を置くと、教授は不思議そうにそれを見つめた。


「俺、今日JUNが来るって言ったっけ?」

「……へ?」


慌てて、メールを見返すと『HELP ME!学会の論文がまとまんないから、研究資料まとめるの手伝って~!』と書いてあった。
ちゃんとメール見てなくて、勘違いしちゃってたんだ、私。
恥ずかしい…。


「ごめんよ、オジサンしかいなくて」

「いやいや。勘違いしちゃったのは私なので、すいません…」

本当に、もう、何やってんだろ、私…。

「謝らないでよ。JUN今ドラマ撮影忙しいみたいだから、あまり来れないみたいなんだ。残念だよね」

「へ、へぇ…そうですか」

「23時からの深夜ドラマなんだけど、良かったら見てやって」

「…は、はぁ…」


別に、私見るつもりなんて毛頭ないんだけどな。
アイツのドラマなんか…。