画面の向こうに甘いKiss☆




「あれ?バレちゃった?」

「――っ!もう。ひどいです!」

「だってー。イケメン嫌いっていうのも、結構な好条件なんだよなぁ、俺から取ってみれば」

「…どういうことですか?」

「あいつ売り出し中の俳優だから。スキャンダルを避けるために、俺の研究室になるべく来るんだし?」

「……それはまぁ。そうかもしれないですけれど」

売り出し中なんだから、そこまでまだ人気は出てないってことだろうし。
今スキャンダルになったら事務所には痛手だろうな。


「なっ。だからお願い!……承知してくれねぇと、ゼミ…どうしよっかなぁ~」

「ちょっと、それ職権乱用ですよ~っ!!」

「大丈夫大丈夫。あいつちょっとクールなところあるけど、基本的には良いヤツだって親も言ってたし」

「そういう問題じゃないんです!!!!」


アイツのどこが良いヤツなのよーっ!!!
私がぎゃあぎゃあ騒いでも、教授は何処吹く風。


「~~♪♪さんきゅうな、時東。ほんと俺助かった」

「…教授聞いてるんですか!!……もう…」


鼻歌を歌っている教授にこれ以上何を言っても、無理だ。
そう判断した私は渋々…お世話役を了承した。

と言っても暇なときや、教授が呼び出したときに研究室に行って、
“JUN”が履修している教科のプリントをコピーしてあげたり、お昼ごはんを買ってあげたりするぐらいの仕事。

もちろんバイト代は出るから、おいしいバイトって言えば、そうなのかな…。

すっごく嫌なお仕事には間違いないけれど。