画面の向こうに甘いKiss☆




「なぁ、時東」

「なんですか?」


教授は、キーボードを叩いていた手を止め、私の方を向いた。



「さっきの話秘密にしといてくれよ」

「分かってます。じゃないと、教授の研究室が女の子で満杯になっちゃいますもんね」

「まぁ――それはそれで俺は嬉しいんだけど」

「…教授…」


もう。
教授の――なんかこう軟派な感じが苦手…。
でも専攻の研究内容がバッチリ私好みなんだよね。
だからこそ、麻生教授のゼミには絶対に入りたい。

それに講義は面白いし、先生としては大好き。
淹れてくれる紅茶も美味しいし。


「俺もさ、こういう仕事してるから暇じゃないんだよね」

「そりゃそうでしょう。研究やら、講義もしなきゃいけないですし」

「おっ。分かってくれる?次の学会の論文キツくてさぁ。俺もヘロヘロなわけよ」

「ふふ。お疲れ様です」

「でさ――お願いがあるんだけど」

「…はい?」


ニヤリと笑う教授。

嫌な予感に私の背中に冷や汗が伝ったのは言うまでもない。