「……」
話しかけても、彼はピクっと肩を動かしただけで、返事をしてくれなかった。
お返しに私もじっと見つめたが、無反応。
――……だぁ~~~!
なんなの!!一体ッ!
「ねぇ!貴方さっきから黙ってないで、何か言ったらどうなの!?」
ついに堪忍袋の緒が切れて、私は彼に詰め寄る形になってしまった。
だって、ずーっと見られてるから話しかけたのに、シカトってあんまりじゃない?
人としてどうなの!?
すると、彼は急に咳払いをし始めた。
そして………。
「名前は?」
と低い声で一言つぶやかれた。
「……、時東っていいますけど…」
何で私名前教えてるんだろう?そう思いながらも、条件反射で答えてしまう。

