画面の向こうに甘いKiss☆




『もしもし?』


ハッチの優しい声が響く。
私は、ハッチの声がすごく好きだ。

かっこよくて、艶があって。

顔もかっこいいけど、ハッチの声は、本当に大好きだった。

ハッチの声優という夢は本当にピッタリだと思っていた。




「…もしもし」

『あ、ごめん。今大丈夫?』

「うん。大丈夫だよ」

『こないだはありがとな。楽しかった』

「…うん、こちらこそ」

『ドリーさ。……お、俺のこと嫌い?』

「え…っ!?」



ドキンと胸が跳ねた。

別に嫌いじゃない。
ハッチのことは好き。

恋愛か?と言われれば、それはまた違うかもしれない。
だけどハッチの雰囲気や空気感は好きだった。


優しくて。暖かくて。


だけど…ハッチは私には釣り合ってないと思うし、
どうしても弘也くんのことが頭にチラついて卑屈になってしまう。