危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

涼に手を引かれて行ったのは小さな公園だった。原っぱで子供がボール遊びをしていた。


涼と並んでベンチに座り、私は俯いて泣いていた。涙を我慢したいのに、そう思うと余計に止まってくれない。


「なんで泣いてんの?」


「だって……」


今の私の気持ちを、何からどう話してよいのか分からなかった。


「綾子は泣き虫だな」


そう言って涼は私の頭を引き寄せ、優しく撫でてくれた。


「ごめんね。みっともないよね?」


「気にすんなって。泣きたいだけ泣けよ」


「ありがとう……」


年下の男の子にすがって泣く自分を客観的に見ると、みっともなくて恥ずかしくなる。

でも、涼の手や肩や温もりが心地好くて、いつまでもこうして甘えていたいと思ってしまう。