驚いて振り向くと、涼が立っていた。
「何で帰るの?」
「用事を思い出したから……」
「嘘つくなよ」
「え?」
「頭のいい綾子が、用事を忘れて俺んちに来るわけない」
ズバリと言われ、私は返す言葉がなかった。
「泣きそうな顔だったし」
「え、いつ?」
「俺に手を挙げた時」
「違うよ。私は笑ったよ、あの時」
「あれがか? 俺には泣きそうにしか見えなかったぞ」
ああ、涼だけは私の事分かってくれてるんだな……
そう思ったら急に涙が込み上げ、それを涼に見られたくなくて私は下を向いた。
すると、
「こっちに来て」
と言って涼は私の手を引いた。
「何で帰るの?」
「用事を思い出したから……」
「嘘つくなよ」
「え?」
「頭のいい綾子が、用事を忘れて俺んちに来るわけない」
ズバリと言われ、私は返す言葉がなかった。
「泣きそうな顔だったし」
「え、いつ?」
「俺に手を挙げた時」
「違うよ。私は笑ったよ、あの時」
「あれがか? 俺には泣きそうにしか見えなかったぞ」
ああ、涼だけは私の事分かってくれてるんだな……
そう思ったら急に涙が込み上げ、それを涼に見られたくなくて私は下を向いた。
すると、
「こっちに来て」
と言って涼は私の手を引いた。



