危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

大人達は大人の話を始めた。


冴子はせっせと涼に食べ物や飲み物を運んでべったり涼にくっついている。


自ずと私の傍には章さんがいて、彼は大学の話を私にしていた。

第一志望はT大で、他にW大やK大も受けるとか何とか。

申し訳ないけど、章さんの進路に私は感心がない。というより、自慢にしか聞こえなかった。


こんなの、もう嫌だ……


私は意を決し、父達の元へ向かった。


「お父さん……」


「ん? どうした?」


「私、用事があったのを思い出したから、先に帰る」


「用事? どんな?」


「それはちょっと……」


用事なんて嘘だから答えようがない。