危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

部屋に戻ると、私は眼鏡を外してベッドに寝転び、枕に顔を埋めた。


私は母に嫌われている。


私の唯一の利点である学校の成績の良ささえも、母は疎ましく思っているんだ。それを私が鼻にかけてると思ってるから。


でも、母にしてみれば当然かもしれない。


こんな理屈っぽくて可愛いげのない娘なんか、私でも好きになれないと思う。


悔しいのと悲しいのとで涙が込み上げ、私は声を出して泣いた。



「やっぱり泣いてんだ? バッカみたい」


不意に冴子の声がして私は顔を上げた。


「何で来るのよ?」


「ん? 気難しいお姉様のご機嫌を伺う役目よ?」


「何それ?」


「お姉ちゃんってさ、つくづく要領が悪いよね?」