危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「ちょっと待って?」


私がひと言も言わない内に話が決まりそうになり、思わず私は口を開いた。


「何よ?」


母が胡散臭そうに私を見た。その目は、明らかに“文句でもあるわけ?”と言っていると思った。


おそらく私には拒否権がないと思ったが、悔しいので少し抵抗してみる事にした。


「私には自分が勉強する時間が必要なのよ? そろそろ大学受験を考えて勉強を組み立てたいし……」


「そこを何とか頼めないかな? 週に3日、2時間ずつでいいらしいんだ」


父が身を乗り出し、私の顔を覗くようにしてそう言った。


私は一応抵抗してみただけで、父からこのように言われたら、すぐに“分かった”と言うつもりだった。ところが……