危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「アヤッペ、おまえを騙すのが辛くなったから、話す事にしたんだよ?」


いつの間にか私の隣に座った涼が、私の肩に手を置いて耳元でそう呟いた。


その声が優しくて、私は肩に置かれた涼の手を、払いのける気にはなれなかった。


「どうして? どうしてなの?」

「言っても、おまえには分かってもらえないと思う」


「そんなの、聞いてみないと分からないじゃない……」


「そうか? じゃあ言うけど、泣くのはやめてくれよ」


そう言って涼は、また白いフカフカのタオルを渡してくれた。


初日に無理矢理キスされて、泣いてしまったあの時のように。