危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「ちょ、ちょっと待って?」


問題集の後ろの解答を開き、涼がノートに書いた答と見比べたら……見事ピッタリ合っていた!


「涼、あんたって人は……!」


私はまずは驚き、次に怒りでカーッと頭に血が上った。


「合ってたか? よかった」


「何言ってんのよ! 騙したわね!」


涼しい顔をした涼を、私は怒鳴りつけていた。


「そう怒んなよ」


「怒るに決まってるでしょ? 何よ! 人をバカにして……グス」

いやだ、涙が出て来ちゃった。


「泣くことはないだろ?」


そう言いながら、涼は私の頭に手を置いた。


「触らないでよ! バカッ」


私は涼の手を払いのけると、悔しさで本格的に泣けてきてしまった。