危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「う、うん」


私はドキドキしながら頷いた。


実は涼の綺麗な顔が近付くと、いつも私はドキドキしてしまう。


初めの頃は男の子に免疫がないからで、その内に慣れるだろうと思ってたんだけど、慣れるどころかどんどん酷くなってる気がする……


「俺さ、わざと成績下げてんだよ」


「……え?」


「わかった?」


「わざとテストで悪い点を取ってるってこと?」


「そういうこと」


ポカッ


私は思わず涼の頭を叩いていた。


「痛えなあ……」


「冗談はやめてよ」


「冗談じゃねえよ」


「え、本当なの?」


頷く涼の顔は真面目で、ふざけてる感じではなかった。