危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「それでね……」


と言いながら、父は私に顔を向けた。


「綾子に家庭教師をしてくれないか、という話になっちゃったんだよ」


え? 家庭教師?


「あなた、綾子の事を部長さんに話したの?」


私よりも早く反応したのは母だった。


「うん、まあ……」


「進学校に通ってる娘がいるとか、自慢したわけ?」


「自慢というか、お互いの子供の話になってだね……」


「そういうのはみっともないから止めてくださいね?」


「すまん」


父は母に向かってペコリと頭を下げた。


「ま、過ぎた事は仕方ないわね。綾子の得意分野なんだから、いいんじゃない?」