危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

変な事を考えてる時に、急に“あっち”なんて言われたから、私は変な声を出してしまった。


「“へ?”じゃないでしょ? プリンスよ、プリンス」


「プリンス?」


「そう。来生章さんには会えたの?」


「ああ、章さんね。会ったよ。帰りに少しだけど」


「そうなんだ。話とかしたの?」


「うん、少しだけどね」


「どんな?」


「うん、あのね……」


章さんとは何もやましい事はないし、涼君との事を隠してる負い目もあるので、私は昨夜の章さんとのやり取りを、有りのままに詳しく純ちゃんに話した。


「もったいないなあ」


私の話が終わるやいなや、純ちゃんは咎めるようにそう言った。