危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「涼君……」


私は寝そべる涼君の側へ行き、毅然とした態度で涼君を見下ろした。


「これから勉強を始めるというのに、その態度はないんじゃない?」


「かったるくて、そんな気にならねえよ」


涼君は天井を見ながら、そんな事を呟いた。

駄々をこねてるのね?
初っ端から世話の掛かる子だわ……


「学生は勉強が仕事よ。頑張らなくちゃ、高校に行けなくなっちゃうでしょ?」


「どうでもいい」


「どうでもよくないでしょ? さあ、起きて?」


そう言って私が涼君のダラリと伸ばした腕に手を触れたら、涼君はジロリと私に目をやった。


そして次の瞬間、涼君はガバッと起き上がると私の肩を掴み、後はどうされたのか分からないけど、私の視界がグラリと揺れた。