危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

申し訳ないといった感じの奥さんの問い掛けに、

「はい、がんばります」

と私は答えていた。


涼君は私の想像以上に不良っぽい男の子だけど、それでも想定の範囲内と思われ、そんな子に勉強を教える難しさは最初から覚悟の上だったから。


「そうですか。じゃあ、お願いしますね? 何かあったら私に言ってくださいね?」


「はい」


奥さんは、勉強道具を広げられるよう、ガラスのローテーブルの上を片付けてくれてから、部屋を出て行った。



「なあ」


奥さんがいなくなるとすぐに涼君が口を開いた。


「はい?」


「何でこんな早い時間から初めなきゃいけねえんだよ? 夜からでいいじゃねえか」