危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「え、ほんと? ごめん、キモいよね?」


「そんな事ないよ。綾ちゃん、可愛い」


「可愛い? 冗談言わないでよ……」


心の優しい純ちゃんが私をバカにする事はないと思うけど、“可愛い”は何かの間違いだ。


今まで言われた事ないし、私に可愛げがないのは私自身よく分かってるから。
純ちゃんは「そんな事ないのに」って、何度も言ってくれたけど。


「プリンスって、よっぽどカッコイイんだね?」


「うん、確かに綺麗な顔だったよ」


「そっかあ、楽しみだね?」


「何が?」


「それはもちろん、プリンスにお近付きになる事だよ。綾ちゃん、プリンスに気に入られたら、どうする?」


「何言ってんのよ。そんなの、あるわけないじゃん」


「ううん、あるかもよ。がんばりなよ」


と純ちゃんは言ったけど、何をどうがんばるのか、さっぱり意味が分からなかった。