危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜

「え、そうなの? お姉ちゃん!?」


「あ、それは……」


と私が言いかけたら、


「僕に話させてください」


それまで黙っていた章さんが、初めて口を開いた。


「正直に話しますから」


と章さんが言うので、私はコクッと頷いた。


「涼、今まで悪かった」


章さんはそう言うと、涼に向かって頭を下げた。


「俺は最低な兄貴だった」


「兄貴?」


「俺はおまえに嫉妬していた」


「嫉妬? なんで?」


「おまえは自由だからだ。ま、実際はおまえも無理してるって、綾子ちゃんから聞いたけどな。それまではそんな事思いもよらなくて、好き放題なおまえが羨ましかったんだ」