「は、はい、そうです!」


すっとんきょな声を出してしまった私に、章さんはクスッと笑った。


「どうぞ、座って楽にしてください」


「は、はい」


私はソファーにちょこんと座ると、恥ずかしくて下を向いた。たぶん顔は真っ赤になっていると思う。


私は、男の人に全くと言っていい程免疫がなかった。


今まで男の子と付き合った事はなく、それ以前に話をするのも苦手だった。


まともに話せるのは父ぐらいなもので、それもあって私は女子校に進学したのだった。


「涼は見つかったの?」


章さんが座るのと同時に奥さんがそう言い、私は顔を上げた。