本当の理由?
そんなの、言えるわけないじゃない。
涼が好き過ぎて辛いから、なんて。
いつか気持ちが溢れて、何をしでかすか分からないから、なんて言えないよ……
私は何も言えず、ただ涙を溢れさせていた。涼にはそれが涙か雨か、分からないと思うけど。
すると、
「辞めないでくれ」
と涼が言った。あるいは言ったような気がした。
聞き違いかと思って、
「え、何?」
と聞き返すと、
「頼むから、いなくならないでくれ」
と涼は言った。今度こそ聞き違いなんかじゃない。でも、
「どうして?」
「俺は、綾子がいないとダメなんだ。今更遅いのは分かってるけど、傍にいてほしいんだ」
そんなの、言えるわけないじゃない。
涼が好き過ぎて辛いから、なんて。
いつか気持ちが溢れて、何をしでかすか分からないから、なんて言えないよ……
私は何も言えず、ただ涙を溢れさせていた。涼にはそれが涙か雨か、分からないと思うけど。
すると、
「辞めないでくれ」
と涼が言った。あるいは言ったような気がした。
聞き違いかと思って、
「え、何?」
と聞き返すと、
「頼むから、いなくならないでくれ」
と涼は言った。今度こそ聞き違いなんかじゃない。でも、
「どうして?」
「俺は、綾子がいないとダメなんだ。今更遅いのは分かってるけど、傍にいてほしいんだ」



