「あ、大事なことを忘れてた……」
「どうした?」
「涼君がわざと悪い点を取ってた事は、ご両親には内緒にしなきゃいけないんだった……」
「それはそうだろうな。そんな事がバレたら、酷い親子喧嘩になってしまうよ」
と父は冷静に言った。そして、
「という事は、もし次のテストでまた悪い点を取ったら、綾子が恨まれるんだぞ?」
「うん、そうだね。そんなの有り得ないと思うけど、もしもその時は、私がまた家庭教師に戻ります」
「そうか。それなら部長も納得してくれるかな……」
たとえ部長さんが抵抗しても、私は何としても家庭教師を辞めるつもりだ。
だって、今の状態には、もう耐えられないから……
その後、冴子の無言で驚いた様子が気になり、私は冴子の部屋を訪れた。言っておきたい事もあったし。
「お、お姉ちゃん?」
冴子は私を見て、なぜか怯えたような顔をした。
「ちょっと冴子にお願いがあるんだけど、いい?」
「な、なに?」
「冴子は知ってるかも知れないけど、涼が不良の真似をしてたのは、章さんと比べられるのが嫌だからなの」
「………」
冴子は知らなかったのか、呆然としている。
「だから、冴子はそんな事しないように気を付けてほしいの。本当の涼はすごくいい子だから、あの子を解ってあげて、傷つかないようにしてあげて?」
「そ、そんなに涼が心配なら、カテキョを辞めなきゃいいじゃない!?」
「それは出来ない。私、涼が傍にいると、触れたくなっちゃうの。変態みたいでしょ? 涼の事、好き過ぎて……」
鼻の奥がツーンと痛くなり、涙が込み上げて来てしまった。
「お姉ちゃん……?」
「涼を、お願い……」
私は震える声でそれだけ言うと、冴子の部屋を飛び出した。
「どうした?」
「涼君がわざと悪い点を取ってた事は、ご両親には内緒にしなきゃいけないんだった……」
「それはそうだろうな。そんな事がバレたら、酷い親子喧嘩になってしまうよ」
と父は冷静に言った。そして、
「という事は、もし次のテストでまた悪い点を取ったら、綾子が恨まれるんだぞ?」
「うん、そうだね。そんなの有り得ないと思うけど、もしもその時は、私がまた家庭教師に戻ります」
「そうか。それなら部長も納得してくれるかな……」
たとえ部長さんが抵抗しても、私は何としても家庭教師を辞めるつもりだ。
だって、今の状態には、もう耐えられないから……
その後、冴子の無言で驚いた様子が気になり、私は冴子の部屋を訪れた。言っておきたい事もあったし。
「お、お姉ちゃん?」
冴子は私を見て、なぜか怯えたような顔をした。
「ちょっと冴子にお願いがあるんだけど、いい?」
「な、なに?」
「冴子は知ってるかも知れないけど、涼が不良の真似をしてたのは、章さんと比べられるのが嫌だからなの」
「………」
冴子は知らなかったのか、呆然としている。
「だから、冴子はそんな事しないように気を付けてほしいの。本当の涼はすごくいい子だから、あの子を解ってあげて、傷つかないようにしてあげて?」
「そ、そんなに涼が心配なら、カテキョを辞めなきゃいいじゃない!?」
「それは出来ない。私、涼が傍にいると、触れたくなっちゃうの。変態みたいでしょ? 涼の事、好き過ぎて……」
鼻の奥がツーンと痛くなり、涙が込み上げて来てしまった。
「お姉ちゃん……?」
「涼を、お願い……」
私は震える声でそれだけ言うと、冴子の部屋を飛び出した。



