次の日曜日。私は父に連れられて来生さんのお宅を訪問した。私が家庭教師を始めるにあたってのご挨拶のため。
来生家は、私の家から学校を間に挟んで4つ先の駅を降り、歩いて10分くらいの閑静な住宅街にあるらしい。
父も行くのは初めてらしく、部長さんに書いてもらった地図を手に持っていた。
「学校の帰りに直行って事になるな?」
「うん。でも何時から始めるかによるんじゃない?」
「それはもちろん夕方にしてもらうよ。この辺り、夜は暗そうだしな。年頃の娘を遅くに歩かせるわけにはいかない」
「でも、先方が何と言うか……」
「いや、それだけは譲れない」
「ほんとうに?」
「お、おお」
なんて父は言うけど、気の弱い父の事だからどうかなあ。
来生家は、私の家から学校を間に挟んで4つ先の駅を降り、歩いて10分くらいの閑静な住宅街にあるらしい。
父も行くのは初めてらしく、部長さんに書いてもらった地図を手に持っていた。
「学校の帰りに直行って事になるな?」
「うん。でも何時から始めるかによるんじゃない?」
「それはもちろん夕方にしてもらうよ。この辺り、夜は暗そうだしな。年頃の娘を遅くに歩かせるわけにはいかない」
「でも、先方が何と言うか……」
「いや、それだけは譲れない」
「ほんとうに?」
「お、おお」
なんて父は言うけど、気の弱い父の事だからどうかなあ。



