「薫~来たよ!今日は1月3日やで」

いつもの挨拶から始まる


相変わらず薫は少し微笑んでいるようだ

顔色も良い


私は薫の手を取ってギュッと握ってみる

何か反応してくれないか祈る思いで…


やはり反応はなかった


私は静かに語りだした…


「薫…大事な話があるねん

ずっと薫の傍におるって決めたのに

できへんようになった…

ごめんな…


私なぁ、今好きな子がいてるねん

薫…怒ってる?

でも許してほしい…


だんだん大きくなる思いをごまかす事は

もう出来へんようになってしもた…


でも薫がここに居る限り会いに来る!

薫の一生の友達として関わっていきたい


それでもいいかなぁ…」



薫の前で今の正直な気持ちが言えた

気のせいか薫の手が微かに

動いた気がした


薫の返事はないがきっと薫なら

解ってくれると思った


「今度二人で来るね…」

そう言って私は病室をあとにした