1時間ほどして彼女が処置室から出てきた

ゲッソリと疲れきった顔


かなり落ち込んでいる様子だが

薫の姿を見つけると努めて明るく振舞った


「ゴメンなぁ~こんなんに付き合わせて・・・

おかげで勇気でた~今日はありがとう!」

かなり無理していることが見てとれる


「今日何か用事あったんちゃうん?

もう大丈夫やから」


そんな彼女を放っておく事はできなかった


薫は時計を見た

(もう今から戻るのは無理やな・・・)


「今日だけ何も予定なかったねん 

家まで送って行くわ!」

と嘘をついた



一方真琴の方は鳴らない携帯を

何度もチェックしながら

やきもきして薫が来るのを待っていた


もう日が暮れかかっている

そろそろ解散の時間だ


(もう・・・薫のあほ~!!

せっかくのUSJやのに・・・

薫と一緒の廻りたかったのに・・・)


その日薫が戻ってくることはなかった



そして真琴の携帯にも

連絡が入る事はなかった・・・