不器用だなぁ、って感じさせられる。
「大野」
「えっ?」
突然呼ばれた声に体がビクッとした。
後ろを振り返って見つけたのは、
水戸だった。
「何?」
「あ、のさ」
水戸は普段、男らしいというよりは女らしくて…。
なんというか…
「しっかりしなよ」
うん、そう。
奈緒美の言うとおり、もう少しシャキッとしていて欲しいくらいで…、
「あんたさ、真白より女っぽいよ」
「はっ?」
依弥の言葉には、思わず顔が引き攣ってしまった。
だけど、間違ってないかも……。
「あー、別にいいや」
「おい…っ」
水戸は苦笑いを浮かべながら言った。
「俺、大野に勝てる気しないもん」
「はぁ?何が」
「強さとか、力とか、男らしさとか……かっこよさ?」
「わかる〜」
「舞っ!」
あたしの声に反応もせず、頷く舞にはもうこりごり。
「あの男装も、普通にイケメンだったし」
ピクリと、体が動く。
(男装…っ)
舞や奈緒美がそれを見てまずそうな顔をした。
「水戸それ…っ、禁句!」
「え?」
奈緒美は必死に今の言葉を取り消そうとしているけど、もう遅い。
「かっこよかったじゃん。あれ」
「み…「俺も大野みたいな男子になりたいなぁ」
大野みたいな、
男子――――??
結局あたしは、
男子どまりかよ…っ!
側にあった机に大袈裟に音をたててぶつかる。
「な、んだよ…っ」
「真白っ!」
最後に叫んだのは依弥だったけれど、あたしは振り向かず水戸に向かう。

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