プルルルル~♪
プルルルル~♪
プルルルル~♪

急に慌ただしく鳴る電話。

なんだろう。


「もしもし、姫野です。」
『結愛ちゃんですか?わたしは喜多宮病院の三吉と申します。』

嫌な予感しかしない・・・

「…はい。」
声が弱々しくなる。
『いいですか?落ちついて聞いてください。』

覚悟はできていた。
狙われてるのはわかってた。
だけどゴクリと息を呑んだ。

『…。お母さんとお父さんが・・・さっき病院に運ばれてきたの。』

「はい…。」

『それでね…、まだ生きてたの。けれど…けれど…』
私が幼いから可哀想だと思ったのか…
最善を尽くしたけどだめだった悔しさなのか…

看護師さんは、切ない声で泣きながら言った。

『…14時56分。お亡くなりに…ヒック…グスン…なられました…。お二人とも…ヒック…同じ時間に…仲が良かったのでしょうね…。結愛ちゃんへの…クリスマスプレゼントを預かってます…。』

放心状態で動けなかった。

死亡理由は…

    銃撃

   だった・・・・・

ずっと対立してたチームにやられたらしい。

そして、クリスマスプレゼントは

大きな大きな、熊のぬいぐるみだった。
一緒に入っていたメッセージには

『結愛、クリスマス&誕生日おめでとう!!クリスマスに生まれる子なんて滅多にいないわよ。お母さんに感謝してね。笑
それに今までごめんね。お母さんとお父さんがこんなのだから結愛が不良になっちゃった。塾に行ってないのも知ってる。だけどね…不良って優しいのよ?知らないでしょ?だから、どうせ不良になるなら優しい人に出会ってね。言葉で言えないからメッセージにしたんだ。
ごめんね…ダサい母親と父親で…。     12歳の誕生日、本当におめでとう。』

涙はでなかった。


力強い父と母の気持ちが伝わったから。