「寂しいね」
「え?なにか言った?」
「ううん、何でもない」
若菜が小さく小さく呟いた言葉は海の泡となって跡形もなく溶け込んだ
二人はカレンのいる真珠貝の所まで泳いで行った
今回は迷わず、暗闇にも戸惑わずにすぐに到着することが出来た
「カレン、よく眠れたかしら?」
似合わず快活な笑顔でミランは話しかけた
「…うーん、あんまり、かな」
あれ?カレンの反応が鈍い?
「駄目じゃないちゃんと寝ないと。今日は昨日以上に疲れるわよ」
ミランが叱咤するもカレンは上の空であるように、若菜にはみえた
「そうなんだけど、私、一つ心配なことがあるの…」
「ん?何かしら」
「カレンどうしたの?」
カレンはもじもじしながら言いにくそうに言葉を紡いだ
「もし今日王子様に会えたとして、あの、私の姿に驚かないかしら。だって私には人間みたいに二本の足があるわけじゃないから…王子様を怖がらせたり、嫌われたりしたら、私…」
カレンは俯いてしまった
そこにいつの間にか、なんともいえず嫌な気配が辺りを包んだ


