「なんでアイリスがシンデレラにだけ召使のように接するのか、不思議?」
「わ!!」
いつの間にかミランが隣にいた
「あなたって本当にそそっかしいわね。ちょっとは落ち着いたら?」
「返す言葉もありません……」
若菜が珍しく少し反省すると、ミランはあきれた顔になって解説を始めた
「先ほど奥さまに聞いたんだけどね、あの人は後妻なのよ。加えて、あの人の本当の娘であるリリーとピアーニは旦那様の本当の娘ではないわけ。伯爵もそれなりには二人を可愛がるけれども、どうもさっきのあの子、伯爵の本当の娘であるシンデレラとは待遇が違うって思ってるらしいの。それが不満なんだって」
‐まったく被害妄想も大概にしてほしいわ
と言いたげにミランはため息をついた
「あの、ミラン…」
「なによ」
「その話、直接あの人に聞いたの?」
「あの人って、あぁ、アイリス様?」
「うん」
「ちょーっと奥さま、奥さま、っておだててたらあっという間に気を許して、聞きもしないことべらべらしゃべってくれたわよ?」
「悪魔…」
若菜は心底ミランを尊敬し、同時に恐怖した
「あなたもこれくらいした方がいいわよ。嫌われても面倒なだけだし。あの人案外ちょろいわよ」
「もう私ミランが怖くてしょうがないよ」
若菜は大げさに身震いするしぐさをした


