トリップ少女


時代は中世



とある小さな王国の中にある小さな田舎町



小さいけれどとても美しい田園風景が広がる丘の上に、町で一番大きなお屋敷がありました



このお屋敷には主の伯爵と妻、3人の娘と4人の召使が住んでいました




しかしこれは本当の伯爵家ではありません


伯爵家には複雑な事情がありました




現在の妻は伯爵の後妻です


伯爵の正妻は、2人の一人娘・のちにシンデレラと呼ばれる少女が10歳の時に病気で亡くなっていたのです


ローズという大変美しい人でした


伯爵は娘・シンデレラがさびしがるといけないと思い、新しい妻を探していました


しかし伯爵はなかなかローズが忘れられず、そのままさらに6年の月日が経ってしまいました




古くから伯爵家につかえている召使たちは、なかなか苦しみから抜け出せずにいる伯爵を気の毒に思い、いたるところに出向いて伯爵にふさわしい女性を探し回りました



そしてついに伯爵がようやく気に入った女性を見つけました


どことなくローズに面影の似た、大変美しい女性でした


その女性はアイリスという名前で、夫を戦争で亡くし、娘二人と隣町の小さな藁屋根の家に住んでいました


アイリスは喜んで結婚の申し出を受け入れました