「あなたは甘いのよ!!」
ミランはついに怒鳴った
波が少し荒くなった
「甘すぎるわ!!これだから人間はダメなのよ!!物語を全く分かっていないわ!!人間の都合に振り回される“彼ら”の気持ちも知らないで!」
「え?」
“彼ら”?
若菜はミランの言葉に引っ掛かりを感じながらも、初めてここまで感情的に怒るミランに圧倒されていた
ミランは若菜の反応に一瞬はっとして、いつもの様子に戻った
「いいわ。気にしないでちょうだい。私がしたいのは意思確認。人魚姫の物語が悲しみを帯びてくるのはまだまだここからよ。結末は言わずもがなね。若菜、あなたはそれを見届けることが出来る?」
「最後まで逃げない。結末も分かってるけど、すこしでも“このカレン”にとって良い結末になるように、今からやれることはやる」
若菜は強い瞳をしていた
「なら、行きましょう」
ミランの叱咤の意味はまだまだ分からなかった
けれど、決して無視できない悲しみを若菜は感じた


