トリップ少女


カレンは音もなく泣き続けていた




そこへ突然、王子が戻ってきた



「王子が戻ってきちゃったよ!」

「いいから若菜、とっとと頭を下げなさい!!」



若菜とミランは慌てて窓から海の中へもぐった



「あれ…?今、窓際に誰かいたような…」



王子はちらちらと窓を気にしながら、カレンに目線を移した




「申し訳ないことに、今医者が誰もいなくて…ってどうして泣いているんだ?どこか痛いのか?」



『っ…っ………っ』



カレンはただただ無言でしゃっくりあげることしか出来なかった



一言でも声を上げてしまえば、出てくるのは醜いガラガラの声だからだ



王子にそんな声を聞かせることだけは、絶対にしたくなかった





カレンはずいぶんと長い時間、王子に慰められながら無言で泣き続けていた