トリップ少女


「んっ………」



カレンは静かに目を覚ましたようだ



王子の感嘆の声が聞こえる



-「ようやく目を覚ましたね、美しい人。海岸で倒れていたあなたを見て、あなたが目を覚ますのをずっと待っていたんだ。ちょっと待ってね、医者を呼んでくるから」




にこっと微笑んだ王子が足早に部屋を出たのを確認して、ミランと若菜は窓に身を乗り出し、カレンに話しかけた



「カレン、具合はどう?」


「大丈夫?」



『あの、わたし…』



ここまで言いかけた刹那、カレンがのどを抑えた



若菜とミランは顔を見合わせた



「カレン、その声…」



若菜は目の前のことが信じられなかった



少ししか聞いたわけではないけれど、カレンの声はガラガラで低く、もはや本来のカレンの美しい声には程遠かった





『っ………っ、っ』


カレンが無言のまま涙を流している


その涙はもう宝石に変わることはなく、普通の涙にすぎなかった


それをみてカレンはさらに涙をあふれさせていた