トリップ少女


「私の声を…?」


カレンは反射的にのどを抑えた


それを面白おかしそうに魔女は「ククク」とほくそ笑んだ


「そうだ。それが人間にしてやる第一の条件だ」



「私の声を奪ったら、どうなるの?」



「もちろん話せなくなる。二度と。でもそれでも安いもんだろう。これでいとしい王子様のもとに行けるのなら」




カレンの表情が曇った


せっかく会えたとしても、話せないなんて…






「第一の条件って言ったわね」



ミランが気力を振り絞って魔女に凄んだ



「他には何があるわけ?」




「ほほう、鋭いね。鋭さに免じてあと2つにしてやろう」



「あとは何があるの?」


カレンは必死になって聞き返した




「第二の条件、それは“痛み”だ。人間の足で歩くたびに激痛が走る」



「そんな…」



「第三の条件、それは“死”だ。」



「死って何!?どういうこと?」



「もし王子様と出会っても、結婚できなければお前は海の泡と化して死ぬ。でももし、晴れて王子様と結婚できたら、奇跡に免じて特別に、足の激痛も死の恐怖も取り除き、美しい声もすべて返してやろう」