ほのぼのと二人の時間は過ぎていきました。



コンビニで無料の雑誌をレジに出したり…

はたまた無料の雑誌と間違えてうっかり万引きしそうになったり。


買い物に行った先で、スパッツの中にスカートが入った状態でトイレから出て来た事もありました。



彼は呆れた顔で、


「…アホ」


と言うけれど、そんな私の手をどんな時でもつないで歩いてくれました。



張り切って失敗して、また張り切って…


それでも彼が変わらずにいてくれることが何より幸せなのです。



月日は流れて彼は大学を卒業しました。


卒業後も、このアパートから仕事に通っています。



私は大学4年生になり就職活動に励んでいるところ。


彼は社会人になり、前ほど一緒にはいられなくなった…。



帰りは遅いし、朝は早い。


それでも一緒に眠れるこのひとときは、私にとってかけがえのない時間。


どんなに遅くなっても起きて待ちます。



たとえ、履歴書の証明写真にクマがくっきり写ろうとも!



彼が帰って来た時、やっぱり『おかえり』を言ってあげたいから。