つまり、言うことを聞けということか。

服従とまではいかないが、危ない橋を渡るのだということだけは分かった。


「私たちが…生きて此処から出られるのなら、何だってしてやりますよ。」


睨みつけると青年は一瞬曇ってた表情を浮かべて、前を向いた。


緩めた歩調を再び元に戻して進む。
行き先は分からない。


「女は…此処を出るための鍵になることは分かるな?」

「はい。」

そもそも私を此処に連れてきたのは彼女だと思う。


「目的は分からない。しかし、お前は完全に生きていたはずだ。…他の者の代理の可能性があるな。本来その場所に他の者が居るはずではなかったか?」


「いえ…。」

そういって、思い出す。
私は由実の祖母の家に居たことを。

青年は私の様子で感づいたらしく、

「もしかしたらその者が此処に来るはずだったかも知れぬな。」

いや、由実の祖母は元気でぴんぴんしている筈だ。
なのになんで…?


「…死とは突然訪れるものだ。」


その言葉に何も返せなかった。

檜山さんも田代さんも夕君も…皆それが当てはまったからだ。