母さんは俺の手の中にあった、手紙を取った。


 
 手紙には、別れを告げる内容が書いてあった。



『ママ、パパ、隼人兄ちゃん、健人兄ちゃん…。いきなりこんなことしちゃってごめんなさい。好きな人を追ってアメリカに行きます。だけど、来ないで。真実は隼人兄ちゃんしか、知らないけど…。もう、会えない。もう、探さないで。ずっとみんなのこと、愛してます。今まで、ありがとう。亜実』



 その手紙を読んだ瞬間、母さんの目には涙があふれた。



 泣き崩れた。



 泣きたいのを我慢してるんだよ…俺だって。



 行け、亜実!



 後のことは任せて、愛する人のもとへ行くんだ…。



 また、会おうな…亜実。