不器用な恋模様




小さくうずくまる、女の子を。



「……大丈夫?」



見つけてしまったものを無視して放ってはおけない。


オレは女の子に歩み寄ってそう尋ねた。



「ごめんなさい。軽い貧血です…」


女の子は俯いたまま
そう言って
おでこに手を当てた。


……軽い貧血って言うけど

軽く見えないんだけど?



そう思い
俺は手を差し伸べた。



「早くっ、一緒に行こうぜ?」



「あ…あたし遅いから……」



「ばぁーか。病人をほっとけないから」