放課後。 適当に教科書を鞄にしまって 俺は教室を出た。 「……」 「……」 教室を出ると、 やっぱりアイツはいた。 「氷屶くん!!」 「……栞」 「一緒に帰ろう?」 そう言って栞は 遠慮しがちに微笑んだ。 栞はよく俺の教室に来ては 一緒に帰ろうと言ってくる。 別に嫌ってわけじゃない。 まぁ……幼なじみだから当然、なのかな。 「あぁ」 俺は軽く返事をして、栞と歩き出した。