「逃げてんじゃん。 あの二人が仲良くなってくのが怖いんでしょ」 「別に」 「強がってんなよ」 「強がってな・・・ パチンっ と、 音がした。 とどうじに頬に鈍い痛みがはしった。 「なにすんの」 「しっかりしなよ」 「・・・」 「早く気持ちに気づかなきゃ、 神崎君もってかれるよ」 「っ」 「薄々気づいてるんじゃないの?」 気づいてる? 何に・・・ 「ほら、教室戻るよ」 「うん」 佳澄に手を引かれ、 教室に戻った。 その途中に、 マサキと一瀬緩奈が楽しそうに 笑っている所を見かけた。