嘘婚―ウソコン―

「周さんったら…」

照れくさくなって、千広は呟いた。

顔がほんのりと赤くなっているような気がするのは、暖房が効き過ぎているせいだからと自分に言い聞かせる。

千広はネックレスを首にかけた。

窓を鏡の代わりにして、映して自分を見た。

キラリと反射している羽のチャーム。

それは、天使の羽を連想させた。

「あの人、意外とロマンチックなんだな」

窓に映っている羽のチャームを見つめながら、千広は呟いた。


迎えた火曜日。

「おはようございまーす」

学校が終わると、千広は小田切の事務所に出勤した。

首に、陽平から送られたネックレスを身につけて。

「おはよう」

デスクで仕事をしていた小田切が千広に気づいて顔をあげた。