モデル同士の恋

幻聴?


あたし、頭おかしくなった?


少し遠くの方から聞こえてくる颯太の声。


いくらライトがあるからって、そんなに遠くまでは見えない。


でも人影も見えないってことは…


駄目だな、あたし。



「結衣。話あんだけど。」

「……、」


…幻聴、じゃ、ない…?



本当に颯太?


さっきよりもずっと近くなったその声。


あたしはもう一度、あたりを見回してみる。



あ…



後ろから走ってきてる…



てか、話…?



「ちょーどよかった。
結衣ちゃんも颯太に聞きたいことあるらしいよ。」


葵くんがそう言ってすぐに颯太はあたしたちのところについた。


「は?」
「ちょ、葵くん!?」


今、この状況であたしに聞けと…?


目でそう訴えては見るが、葵くんは知らんぷりして

「いーから。」

と言う。


「何?」