モデル同士の恋

歩いている途中でわかった。


この道、多分前と同じ道だ。



この前は帰り道だったけれど。



目的地に近づくごとにあたしの足は限界へと近づき、それと同時に心は重く沈んでいった。



それでも我慢してしばらく歩くと目的地に到着した。


葵くんはあたしの手を離し、正面に来る。



「ここ、俺好きなんだ。」

「…そうなんだー。」


ってえ!?

言ったと同時に気付いた。



街灯のおかげで、葵くんの姿がはっきりと見える。


姿、というより胸元のポケットの中にあるものが。



これって、偶然なの…?



偶然しかありえない、はずだけど…



「ねぇ。」

「聞いてますか!?
おーい。」


「っへ!?」

あ…、
また自分の世界に入り込んでた…。


「ごめんっ!
何?」

あたしがそう言うと、葵くんはいつもにない神妙な顔つきをして話を切り出した。