モデル同士の恋

痛さに負けて目の前が少しぼやけたけどそれには気づかないフリをした。


痛いって思ったら余計に痛くなる。


傷見たら、余計に痛くなりそう…



他のこと考えなきゃ。


今日のごちそうごちそう…



そう思ったのに。



「あーあ、血出てんじゃん。」


いつの間にか靴を脱いでお父さんの隣に立っている颯太が言った。


「ちょっと!
人がせっかく気にしないようにしてたのに!」



「知るか、そんなもん。」


「はぁ?」

まったく、人の気も知らないで。


やっぱり痛いなぁ。


お母さんは遅いし!


「てか結衣はその足で家まで帰ってきた訳?
よく帰ってこれたな。」


あたし達がケンカを始めようとしていたとき、横からお父さんが感心したように言ってきた。


「俺がおぶってきた。」


「やるじゃんお前。」


それから結衣この頃太ったのによくおんぶ出来たな、なんて呟くお父さん。



え、嘘…あたしこの頃太った?


体重も体脂肪も増えてないんだけどな。



よく嘘をつく子供じみたお父さんだということを忘れて真剣に悩み始めるあたし。