モデル同士の恋

颯太の明るい声でそれまでのあたしの思考はぷつんと途切れる。


考え込みすぎた。


「…わかってる!」


「わかってなかったクセに。」


「わかってたもーん。」


嘘だけど。

颯太との今後を考えてましたなんて死んでも言えない。



「…だろ?」

「え?」

混雑している電車のなかでお互いの声を聞き取るのは至難の技だ。



何言ってるのかさっぱりわからない。



「だから、今日のごちそうのこと考えてたんだろ?」
あははと笑いながら颯太は聞いてくる。



はっ!?

ひどー…。


「全然違いますー。」


「はいはい。わかったよ。」

あ、そういえば今日はなんだろー。


あたし的にお寿司が食べたいな。



「ほらまたぼーっとして。出るぞ。」

またやっちゃった。



ドアの開く音がしてから人の波に乗って電車の外までなんとかでる。


やっぱり痛い。



「歩けるか?」

いつの間にかちゃんと横にいた颯太が心配そうに聞いてきた。


大丈夫じゃ、ないかもしれない。


でも駅から家まで5分だしなあ。


「なんとかなる、かもしれない。」