モデル同士の恋

颯太が気になって横目でチラっとみると、無表情で…

そこから何かを感じ取ることは出来なかった。



無理ないか、

颯太があたしのことどうこう思ってるとか…
そんな感じじゃないし。





そんなことを考えながらあたしがしばらく黙っていると、

「じゃ、そういうことで!」

と葵君はひとりで納得して出て行く。



葵君は嵐のように来て、嵐のように去っていった…





「まったく、忙しい人ね。」


「ってかあたしはフラれたっていうのに
潔く諦めないあの人がよくわかんない。」


「確かにちょっとあれはね…。
結衣の気持ちは完全に無視してたわよね…」


あたしはぼーっとしたままみんなの話に耳を傾けていた。



「ストーカーとかそんな展開にならなきゃいいけど…
颯太、気をつけてあげてね?」


「…お、俺?」

それまであたしと同じく黙っていた颯太が驚いた声を出した。


…なんか、複雑な気分。


俺が守るーとか颯太に言われるのもキモイって思っちゃうけど…


あんな声出さなくてもいいのに。



「当たり前じゃない。
一番一緒にいる時間、長いでしょ?」


「まぁそうだけど…」


…。


「別にいいよ。」

『…え?』