「ってその日って結衣の誕生日じゃん」
颯太が思い出したように呟いた。
そうなんです!
再来週の日曜日、11月24日はあたしの誕生日!
ひとりでも覚えててくれて嬉しいよ。
「そういえばそうだったね。
誕生日に仕事入ってないうえ遊園地行けるなんてラッキーじゃん結衣」
確かに!
そう言おうとしたら、
「んじゃその日
早く帰んなきゃ駄目じゃん」
と、颯太がまた思い出したように言った。
あ、そっか!
「なんでー?」
夏希が不思議そうに聞いてくる。
「あ、知らなかったんだっけー?」
「うん、なんで?」
「誕生会あんのよね」
毎年恒例、あたしと颯太の家族で
誰かが誕生日のときは必ず誕生会をやる。
昔から一回も忘れたことのない、恒例行事。
「誕生会!?
今どき!?」
まあ…
確かに、ね。
幼稚園児じゃあるまいし、って思う部分もあるけど…
楽しいから、いいけど!
「うん。
楽しいよ〜」

