モデル同士の恋

やった!

みんなで遊園地だ!!


とあたしは叫び声みたいな歓喜の声をあげて

うきうき気分の中、隣で落ち込む人約一名。



「高所恐怖症この機会になおしたらどう?」

ルンルン気分のあたしは颯太の肩を叩いてからかってみる。


「無理。
絶対無理。」

首をちぎれるくらいに横に振る颯太。



「あたしがせっかくいい言葉かけてんのに!

人の好意を無駄にして、まったく颯太は…」


「無理なもんは無理!」

「根性なし!!」


結局のところ、
あたしたちは懲りもせずにまたケンカする。



でも多分大丈夫。


今のところは…

あたしが一方的にキレない限り、

颯太が本当に怒ることは
よっぽどのことでもなければないと思うから。


でもあたしだって今回のことでよーく学んだし、
もう同じ過ちは犯したくない。



颯太の耳にたこができるくらい聞いた
高所恐怖症の長ったらしい言い訳を
聞き流しながらそんなことをぼんやりと考えていた。


そんなあたしの様子に気付いたのか

「おいっ!
みんな聞いてんのか?」

と颯太は声を上げる。


どうやらみんなもぼーっとしていたみたいだ。



「はいはい、聞いてるわよ」

「聞いてる聞いてる。
なぁ大和!」

「ふぁー」

大和はひとりあくびをして、
眠たそうな顔をしている。


「聞いてねぇじゃん」


颯太は余計に暗くなって、黙り込む。


何に落ち込んでるのか、さっぱりわからないけど。