モデル同士の恋

「はいはい、もうわかったから。

ケンカするなら他でやって頂戴。」

結局、最後に止めるのは
誰が言い合いになっても
美月だよなあ。



みんなのお母さんって感じ。


多分、あたしたちは
美月がいなきゃ収拾がつかない。


「まったく、3人とも似た者同士よね。」

あ、あたしが思ってることと一緒だ!



「似てねぇよ…。」

「ってか似たくない。」

「うっせーよ。
颯太のクセに。」

「大和に言われたかねぇっつの。」

さっきよりも小さな覇気のない声で
諒を除いたふたりは地味な争いを続ける。


「はあ…。」

「ほっとこー…」

「そだね。」


あたしたちが
ため息をついて颯太達を見ながら
そんな会話をしている中、
諒だけは1人落ち込んでいる。


「諒は何を落ち込んでるの?」

「…こいつらと一緒なんて嫌だ…。」


諒の言葉に思わず吹き出してしまう。



「結衣きたなーい。」


「ごめんごめん。

だって…アハハ。」


面白すぎるんだもん。


笑いが止まらない~。



「そんなにあのふたりと同類は嫌ー?」


「あたりめーだろっ!」

それを聞いてあたしはまた笑いが止まらなくなる。


やばいって!!

と心の中で叫ぶ。



そんなあたしとは正反対に

「なあ大和。
俺らの方が傷つかね…?」

「うんうん。
諒と同類にされちゃあ…」


と落ち込む2人。



その会話にやっぱり笑っちゃうあたし。



はたから見れば変な光景…だよね。